【2025年度版】「くるみん」「えるぼし」認定で企業価値を向上!最新の制度変更点と税制優遇を解説

「くるみん」「えるぼし」認定とは?
「くるみん」認定は、次世代育成支援対策推進法に基づき、子育て支援に積極的な企業を厚生労働大臣が認定する制度です。一方、「えるぼし」認定は、女性活躍推進法に基づき、女性の活躍推進に取り組む企業を評価・認定する制度です。これらの認定を受けることで、企業は社会的信頼の向上や税制優遇などのメリットを享受できます。
2025年4月からの主な変更点
くるみん認定
- 男性育児休業取得率の要件強化:従来の10%以上から、30%以上に引き上げられました。
- 時間外労働の上限見直し:フルタイム労働者の時間外労働時間数の上限が、45時間未満から30時間未満に変更されました。
- キャリア形成支援の対象拡大:女性労働者に限定されていた支援対象が、全労働者に拡大されました。
えるぼし認定
- 認定基準の明確化:採用、継続就業、労働時間、管理職比率、多様なキャリアコースの5つの評価項目に基づき、認定が行われます。
- 認定段階の導入:達成度に応じて、1段階目からプラチナえるぼしまでの4段階で認定されます。
税制優遇措置との連携
これらの認定を取得することで、賃上げ促進税制における税額控除率の上乗せが可能となります。
- 中小企業の場合:「くるみん」または「えるぼし(2段階目以上)」の認定を受けていると、税額控除率が5%上乗せされます。
- 中堅企業の場合:「プラチナくるみん」または「えるぼし(3段階目以上)」の認定を受けていると、税額控除率が5%上乗せされます。
- 大企業の場合:「プラチナくるみん」または「プラチナえるぼし」の認定を受けていると、税額控除率が5%上乗せされます。
これにより、最大で45%の税額控除が可能となります。
申請の流れ
- 行動計画の策定・届出:一般事業主行動計画を策定し、都道府県労働局に届出ます。
- 計画の実施:策定した計画に基づき、具体的な取り組みを実施します。
- 実績の評価:計画期間終了後、取り組みの実績を評価します。
- 認定申請:評価結果をもとに、認定申請書を提出します。
- 認定取得:審査を経て、認定が付与されます。
【認定基準】
くるみん認定(次世代育成支援対策推進法)
項目 | 内容 |
対象 | 一般事業主行動計画を策定・実施した企業 |
認定段階 | くるみん/プラチナくるみん/トライくるみん(新設) |
主な認定要件(2025年改訂後) | |
✔ 男性育休取得率 | 取得率30%以上(旧10%) |
✔ 所定外労働の上限 | 月平均30時間以内(旧45時間) |
✔ 行動計画の策定・実施 | 計画期間内に目標をすべて達成 |
✔ 女性限定のキャリア支援 | → 男女すべての労働者に拡大 |
✔ 次世代育成支援制度 | 育児休業制度、短時間勤務、看護休暇等を就業規則等に明記 |
✔ フルタイム・常勤労働者比率 | 男性:育児関連制度利用実績あり/女性:復職率・継続率要件ありなど |
えるぼし認定(女性活躍推進法)
項目 | 内容 |
対象 | 一般事業主行動計画の策定・届出済かつ公表している企業 |
認定段階 | ★(1段階)~★★★(3段階)+プラチナえるぼし |
評価項目(5つの基準) | |
① 採用 | 新卒/中途での女性採用比率の一定水準達成 |
② 継続就業 | 女性の平均勤続年数 ≧ 男性の8割以上 |
③ 労働時間等の働き方 | 所定外労働が月平均45時間未満など |
④ 管理職比率 | 女性管理職比率が一定割合以上(業種ごとの基準あり) |
⑤ 多様なキャリアコース | 育児休業/在宅勤務/短時間勤務等の選択制度導入 |
必要達成数(認定要件) | ★=1項目/★★=2項目/★★★=3項目以上+加点要素 |
プラチナえるぼしの要件 | すべての項目を高水準で達成し、継続的な改善の取組があること |
税制優遇との関係(共通)
税制控除対象 | 上乗せ条件(認定での加点) |
賃上げ促進税制(中小企業) | 「くるみん」または「えるぼし(★★以上)」取得で+5%控除上乗せ |
賃上げ促進税制(中堅企業) | 「プラチナくるみん」「えるぼし★★★以上」取得で+5%控除上乗せ |
賃上げ促進税制(大企業) | 「プラチナくるみん」「プラチナえるぼし」取得で+5%控除上乗せ |
まとめ
「くるみん」「えるぼし」認定は、企業の社会的信頼を高めるだけでなく、税制優遇などの具体的なメリットもあります。2025年4月からの制度変更により、認定基準が厳格化されるため、早めの準備と対応が求められます。自社の取り組みを見直し、認定取得を目指すことで、持続可能な企業成長につなげましょう。