2025年画像生成AIはここまで進化した ─ 第四弾:採用・広報コンテンツでの使い方 〜実写が出せない会社でも、リアルな職場の空気感を伝える方法〜

こんにちは。テオドール株式会社 代表の西村です。

2025年を通じて進化を続けてきた画像生成AI。第1回ではSNSアイコン、第2回ではInstagram投稿での世界観づくり、第3回ではLP・サービスページへの活用について解説してきました。

そして今回は最終回。
採用サイトや広報コンテンツでの活用について、実務目線で掘り下げます。

採用・広報コンテンツで「実写素材」が使えない理由

採用サイトや会社紹介ページを作るとき、理想は「リアルな職場の写真」を使うことです。
実際に働いている社員、オフィスの雰囲気、日常の風景。
これらがあれば、求職者に対して最もリアルな情報を届けられます。

しかし、現実にはそれが難しいケースが多々あります。

ケース①:従業員が顔出しを希望しない

プライバシー意識の高まりもあり、「会社のサイトに自分の顔を載せたくない」という従業員は少なくありません。

特に、

  • 家族に仕事内容を知られたくない
  • SNSで特定されたくない
  • 転職活動中で、今の会社にバレたくない

といった事情がある場合、顔出しは難しくなります。

ケース②:職場環境を公開できない業種・業態

業種によっては、セキュリティやコンプライアンスの観点から、実際のオフィスや作業風景を公開できない場合があります。

  • 金融・医療・公共系
  • 顧客情報を扱うバックオフィス
  • 研究開発・製造現場

こうした現場では、撮影許可を取ること自体がハードルになります。

ケース③:リモートワーク中心で「撮るべきオフィス」がない

リモートワーク中心の企業では、そもそも「職場」という物理的空間が存在しないケースもあります。

自宅作業の風景を撮るのは現実的ではないし、かといって「オフィスがない」ことをそのまま見せると、求職者に不安を与えることもあります。

画像生成AIが採用活動にもたらした選択肢

こうした「実写が使えない」状況において、画像生成AIは新しい選択肢を提供してくれます。

「実際の職場に近いイメージ」を生成できる

画像生成AIを使えば、以下のようなシーンを作ることができます。

  • 明るいオフィスで打ち合わせをしている様子
  • デスクでPCに向かう社員の後ろ姿
  • カジュアルなミーティングスペースでの会話風景
  • リモート会議中のモニター越しのやり取り

これらは「実写」ではありませんが、実際の職場の空気感に近いイメージを伝えることができます。

重要なのは、「嘘をつく」ことではなく、伝えたい雰囲気を、誤解なく届けること。

顔を特定されずに「人の存在」を表現できる

採用コンテンツにおいて、「人がいる」ことは重要です。
無機質なオフィス写真だけでは、働く姿がイメージできません。

画像生成AIを使えば、

  • 後ろ姿や横顔
  • 表情は見えるが個人は特定できない距離感
  • 雰囲気を伝える程度のぼかし表現

といった形で、「人の存在」を示しながらも、プライバシーを守ることができます。

「実際の職場に近いイメージ」を作るためのポイント

ただし、AI画像を採用コンテンツに使う際は、注意が必要です。
やりすぎると「盛りすぎ」に見えるし、逆に雑だと「いい加減な会社」に見えてしまいます。

プロンプト例1:オフィスの日常風景

Japanese office environment, bright and modern workspace,employees working at desks (back view or side view), natural lighting, clean and professional atmosphere, suitable for recruitment website.

(日本のオフィス環境、明るく現代的なワークスペース、デスクで作業する社員(後ろ姿または横顔)、自然光、清潔でプロフェッショナルな雰囲気。採用サイト向け。)

プロンプト例2:カジュアルなミーティング風景

Casual meeting scene in modern office, small group discussion,relaxed but focused atmosphere, diverse team members,natural expressions, warm lighting.

(現代的なオフィスでのカジュアルなミーティング、少人数でのディスカッション、リラックスしているが集中した雰囲気、多様なメンバー、自然な表情、温かみのある照明。)

ポイント:「誇張しない」ことが信頼を作る

採用コンテンツで最も大切なのは、入社後のギャップを生まないこと

AI画像を使うこと自体は問題ありませんが、

  • 実際より豪華なオフィスに見せる
  • 実際よりおしゃれな雰囲気に見せる
  • 実際より多様性があるように見せる

こうした「盛り」は、入社後の失望につながります。

AIで作るべきは、実際の空気感に近いイメージであり、理想像ではありません。

使用時の注意点:誤解を招かないための配慮

AI生成であることを明示すべきか?

法的には義務ではありませんが、企業姿勢として「透明性」を重視するなら、記載しておくのも一つの選択です。

例:

※本ページの一部画像は、プライバシー保護の観点からAIによるイメージ生成を使用しています。

こうした一文があるだけで、誠実な印象を与えることができます。

使用してOKなケース

  • オフィスの雰囲気を伝える補助的素材
  • 職種・業務内容のイメージ表現
  • プライバシーに配慮した人物表現

注意が必要なケース

  • 「実在の社員です」と誤認させる使い方
  • 実際の職場環境と大きく乖離した表現
  • 多様性や働き方を過剰に演出する素材

明確にNGなケース

  • 実在しない社員を「実在する」と偽る
  • 他社の社員写真を無断で学習元にする
  • 求人詐欺と見なされるような誇大表現

採用ブランディングとしてのAI活用の可能性

画像生成AIの活用は、単なる「素材不足の補完」ではありません。

採用ブランディングの一環として、意図的に設計するという視点を持つことで、より戦略的な使い方ができます。

「伝えたい文化」を視覚化する

例えば、

  • 風通しの良いフラットな組織 → カジュアルなミーティング風景
  • 集中して働ける環境 → 静かで整ったデスク環境
  • チームワークを大切にする社風 → 協働作業のシーン

こうした「伝えたい価値観」を、AIで視覚化することができます。

統一感のある採用ページを短期間で構築できる

採用サイトでは、複数のページに渡って一貫したトーンが求められます。

  • トップページ
  • 職種紹介
  • 福利厚生
  • 社員インタビュー
  • オフィス紹介

これらすべてに統一感のある素材を用意するには、従来は撮影体制と予算が必要でした。

しかしAIを使えば、同じスタイル指示で複数枚を生成することで、短期間で統一感のあるページ群を作ることができます。

まとめ:AI活用は「手段」であり、伝えたいのは「人と文化」

採用・広報コンテンツにおける画像生成AI活用は、「実写が出せない」という制約を、表現の自由に変える手段です。

しかし忘れてはいけないのは、AIはあくまでツールだということ。

採用活動で本当に伝えるべきは、

  • どんな人が働いているのか
  • どんな文化があるのか
  • どんな価値観を大切にしているのか

という「中身」です。

AI画像は、その中身を「誤解なく、魅力的に伝える」ための手段に過ぎません。

手段が目的化しないよう、常に「何を伝えたいか」を起点にする。
そのうえでAIを使えば、採用ブランディングの表現力は大きく広がります。

【全4回完結】

第1回から第4回まで、画像生成AIの進化と実務活用について解説してきました。

2025年を通じて進化したAI技術は、2026年を迎えた今も日々アップデートされています。

重要なのは、AIを知るために、まず使ってみること。
試して、違いを見て、調整して、自分なりの型を作る。

その積み重ねが、結果として一番早く、実務に活かせる力になります。